闇崎/イナガキのゲーム雑記

雑食系おっさんゲーマーが壁に向かってブツブツ呟いてるよ

「テケリ・リ」レビュー

http://japonbrand.gamers-jp.com/games/tekelili-j.html

 クトゥルフ神話を題材にしたカードゲーム。

 みんなでカードを1枚ずつ出し合って、その中で一番高い数字を出してしまった人がカードを引き取る……というゲーム。カードの大半は、得点がマイナスの物なので、なるべく取らない方が有利。

 ゲームに詳しい人なら、トランプゲーム「ナポレオン」に代表される「トリックテイキングゲーム」の一種、と言った方が分かりやすいかと思います。


 クトゥルフものらしく、ダゴンとかアザトースとかの有名な神様のカードを貰ってしまうと大打撃。
 ただ、複数のプレイヤーが「色も数字も同じカード」を出した場合に限り、数字は「0」として扱われて、次に高い数字を出した人がカードを取らなくてはいけないという「キャンセル」ルールがポイント。
 この強力な「キャンセル」ですが、同色・同数字のカードが複数枚あるのは数字が高いものばかり……というハイリスク&ハイリターンっぽさが悩ましいです。


 また、キャンセルが起こりえるカードは、医者やら大学教授と言った探索者っぽいイラストが添えられていて、「他のキャラと協力して邪神を退ける(=キャンセルする)」というクトゥルフ神話っぽさが出ているのではないかと思います。(思惑が外れて)単独でカードを出してしまうと大打撃を受けてしまうところもまたクトゥルフ風味。


 さらに、マイナスばかりのカードの中で、2枚揃えるとマイナス点が大幅に回復する「ネクロノミコン」カードってのもあり、それを巡る駆け引きもまた熱いです(この場合も、キャンセルのルールが良いアクセントになっています)。


 ……と、なかなかに手堅くできた佳作だと思います。
 難点をあげるとすれば、カードの全体像*1が掴めないとゲームの面白さが分かりづらい所と、コンポーネントや展開がやや地味目なので人を選ぶところでしょうかね。


 通好みな題材&ルールなので、国内よりも(濃いボードゲーマーの多い)海外の方がウケそうだなーと思ってたら、ヤポンブランドとして海外に輸出されるそうで。
 結果が楽しみですね。応援してます。

*1:種類とか枚数とか