災厄の王子
迷宮キングダム・リプレイ(2) 災厄の王子 (富士見ドラゴンブック)
- 作者: 河嶋陶一朗,冒険企画局,toi8
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2007/05/19
- メディア: 文庫
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やっぱり、ユメミルドラゴンとルチャが合流してからの盛り上がりは異常。これに尽きます。
コミカルなようでいて、けっこうシリアス。そして理不尽なようでいてどこか筋が通っている……そんな迷宮キングダムの魅力が充分に伝わってくる展開で大満足。
読み終わってみた感想としては「いかにもゲームリプレイらしいリプレイ」でした。と、言っても別にネガティブな意味ではなく「ゲームならではの楽しみに満ちたリプレイ」ってことです。
少しでも内容に触れるとネタバレになっちゃうので省略しますが、シナリオが大幅に狂ってGMが右往左往したり、強敵のはずがあっさり倒れたり、使えなかった伏線をムリヤリ公開したり……と、自分がGMをやる際の頻出事項がいろいろと。でも、それすらも楽しそうに描かれていてるのが素敵なところ。やはりTRPGのセッションというものは、こういうアクシデントがあるからこそ光り輝くものだと思います。
話は変わりますが、自分が一番「迷宮キングダム」で魅力的だと思うところは、「ルール通りにサイコロを振っていれば色々アクシデントが起こって勝手に盛り上がる」ところだと思ってます。
マスタリングテクニックとかそんな小難しいことを考えず、ルール通りにシナリオをつくって、ルール通りにマスタリングするだけで楽しい。ハートマン軍曹風に言えば「クソ真面目に努力するこたぁない! 神様に任せりゃケツに奇跡を突っ込んでくれる!」そんな楽しさが、自分にとって最大の魅力です。
で、このリプレイは、各プレイヤーのキャラ立ちも素敵だし、シナリオ的にも工夫が凝らしてあって素敵なのはもちろんなのですが、それ以外のGMやPLの計算外の部分――前述のシナリオの予定が狂っちゃった部分とか――で、「迷宮キングダム」が持つ輝き、っつーかシステム自身の「黄金の精神」を見た気がします。
我ながらヨクワカラナイことを書いておりますが、迷宮キングダムはすげー楽しいゲームだし、このリプレイもすげー楽しいってことですよ!
迷宮キングダムは楽しいと同時に人を選ぶゲームだと思っていますので、興味のある人はまずこのリプレイを読んでみると良いんじゃないかなと思います。もちろん、元々迷宮キングダムが好きな紳士淑女はマストバイであります。
ただ……唯一難点を言わせてもらえば……表題の…太ゴシック+星マークは……どうかと……(気絶)