闇崎/イナガキのゲーム雑記

雑食系おっさんゲーマーが壁に向かってブツブツ呟いてるよ

『シノビガミ』ファーストインプレッション

Role&Roll Stationで「シノビガミ」購入。さっそく読破。
おもしれー!


世の中、「忍者ができる」TRPGは数あれど、「忍者しかできない」TRPGはそうそうあるもんじゃない。
この「シノビガミ」というTRPGは、「現代の闇に生きる忍者同士のバトル」に焦点を当てた、そうそうあるもんじゃないTRPGだ。

かなり意欲的・野心的なシステムが導入されているが、なによりも「忍者」という要素を押し出している点が素晴らしい。

「フフ……なるほどな……」
「そうか、そういうことだったのか……!」
「まだお前には言うべき時ではない……」
とか適当な事を言ってても、なんとなく絵になる……それが忍者!

あたり一面を火の海にしたり、音速で移動してもなんとなく納得してしまう存在……それが忍者!

どんなことになっても、なんとなく納得してしまう不思議ワード「忍者」!
これはもう「発明」と言って良いレベルだと思った。わりとマジで。


また、全体的に「プレイヤーが(良い意味で)調子に乗れる」要素が満載なのもポイント。

例えば、忍者にとっての必殺技「奥義」を使用する時。
「奥義」自体、相手に大ダメージを与えたり、死んでも生き返ったりと言った超強い効果を持っている訳だけど、なにより「特技」と組み合わせたフレーバーを考えるのが熱い! そしてフレーバーの内容は基本自由なので、ッ発表する時に、かなり調子に乗れる!

「体内の毒が裏返って蘇生(毒術×不死身)」、「目を見るだけで相手は死ぬ(瞳術×クリティカル)」などなど、可能性は無限大*1。適当な理屈付けをするとさらにそれっぽくなるところが、さらに忍者畏るべし、という気分にさせられる。
一度見られたら見破られる可能性があるので、他のPCにも秘密(キャラクターシートの当該部分を折って隠す)なのも、発表時の興奮&良い気になれるっぽさが高まるナイス要素。そしてなにより忍者っぽい!

さらに「クライマックス」には、回想シーンを挿入することで達成値がプラスになる点も、キャラが調子に乗りっぷりに拍車をかける良い要素だと思った。


戦闘も、「イニシアチブダイスは、はじめに手で隠した後、みんな一斉に公開する」という点もかなり忍者っぽい!*2
また、「クライマックス以外は、1ダメージでも喰らうと退場」という割り切りもグッド。

カキーンカキーンカキーンザクッ!「(腕を押さえつつ)クク……すべては計算通りよ……!」と言って闇に消えたりすれば、まさに忍者! ふしぎ!


シナリオ関係のシステムでは、「使命(ハンドアウト)」の他に、「秘密」といわれる“自分にしか知らないシークレット要素”がある点も熱い!
例えば、「使命:○○を殺せ!」/「秘密:実はおまえは○○の幼なじみで、洗脳されている。他のPCが洗脳を解くと、『使命:○○を守る』に変更される」みたいなドラマチックな展開も簡単にできちゃうわけで。
さらに、その「秘密」もけっこうあっさり他のPCに調べられてしまう……という思い切った割り切りもすげー。


そんな感じの、軽めのシステムで好き勝手に妄言を吐きつつ、ダイスの結果に一喜一憂する……という印象を受けるゲームだった。

フットワークが軽く、それでいて所々に強力な攻撃(システム)が潜んでいるなんて、まさにゲームシステムそのものが「忍者」を体現してるじゃないか! イカスぜ!

*1:リプレイパートにはもっと無茶な奥義も……

*2:ダイスの目が高いほど先に動けるが、その分ファンブルの確率が上がる