闇崎/イナガキのゲーム雑記

雑食系おっさんゲーマーが壁に向かってブツブツ呟いてるよ

グローリアス・サーガななめ読み感想文

 会社のTRPGerの方がゲットしたグローリアス・サーガを強引に借りてパラパラななめ読み。手元に本が無いので事実誤認があるかも知れませんが、判明次第訂正していきます。
 
 まず、GM*1とPL*2が妥協の無い鬩ぎ合いの末に物語が出来上がる」というコンセプトは非常に良いと思います。斬新。
 ルールの解釈で不公平を感じないようにGMでもPLでもない第三者をルールの裁定者「ジャッジ」として採用することができたり、「マナーの悪い人は退場にさせてもかまいません。それでゲームの続行ができなくなったら中止」とこれまた男らしい事を言っている*3など、「もう仲良しゴッコにはウンザリなんだよ!」的なルール群&自ゲームを「知的スポーツ」と言い切って「スポーツマンシップに乗っ取って清く正しく遊びましょう!」と呼びかけてるあたりデザイナーの信念を強く感じます。
 また、「英雄は死んでこそ華」と言うことで、気軽に(?)死ねるようにと「肉体」と「魂」で別々の能力値を持ってたりするところも好感触。物語の流れによっては、PC同士で決闘ってのもアリ?
 ……と、「勝負」を明確に打ち出したシステム・コンセプトは斬新ですし、「英雄が転生しながら冒険を繰り返す」というストーリー・コンセプトも美しいと思います。
 が、従来のTRPGとは違うものだから「コントラクチュアル・プロッティング・ゲーム」と名付けられてるのはまあ納得ですが「『コントラクチュアル・プロッティング・ゲーム』は『コントラクチュアル・ゲーム』と『プロッティング・ゲーム』に分けられ、お互いは『プロムナード』で結ばれる」なんて言われちゃうと、もう何がなんだか。「人は、そんな便利にできちゃいないよッ!」 ちょっと新しすぎて今の人類には厳しいかも知れません。
 ↑に代表されるように、「つかみ」の部分でだいぶ損をしているように感じます。世界設定もオリジナルのものよりも、実際の歴史を題に取ればもうちょっと馴染みやすくなると思いますし、本文のデザインももうちょっと何とかしてもらえれば……。同メーカーから同時発売の迷宮キングダムと比べると雲泥の差。いや、迷宮キングダムと比べなくても全体的にしょっぱいです。
 とは言え、他社のゲームとは違った観点から「物語作成エンジン」を作ろうとする姿勢はとても好感が持てますので、今後のサポートでより遊びやすいゲームになってくれればなあ……と願わずにはいられません。サポートされずにその命を終えようとしている「ブルーローズ」や「上海退魔行*4の反省を生かして欲しいところです。
 
 「グローリアス・サーガ」と同じメーカー・同じ発売日であり、同じく現在のTRPGへのアンチテーゼを強く感じさせる「迷宮キングダム」と比較すると色々見えてきそうですので、両方とも遊んだら両者を比較したレビューを書きたいところ。でも「グローリアス・サーガ」を遊べる日がいつ来るのか、正直微妙。

*1:本当は「ブックキーパー」と呼びますが、まあ便宜上。

*2:本当は「クエスター」と呼びますが、まあ便宜上。

*3:ちなみに「謝罪」すればゲームに復帰できるとも明記してあります

*4:共にグローリアス・サーガのゲームデザイナー、西上柾氏が関わってる作品